コラム/豆知識

シームレスダウンが劣化した!洗濯方法やお手入れの注意点

シームレスダウンといえば「ダウンジャケットよりも軽くてデザインがおしゃれ」との理由から、ここ最近人気のアイテムです。
しかし、購入からたった数年で加工部分が剥がれたり、汚れが目立ったりと、劣化部分が気になる人も多いでしょう。
そこで今回は、シームレスダウンの劣化の原因や自宅でのお手入れ方法、クリーニング店に出すときの注意点について詳しく解説します。

シームレスダウンが劣化した!洗濯方法やお手入れの注意点

シームレスダウンが劣化する原因は?

シームレスダウンが劣化する原因は、使用回数や自然現象など、月日の積み重ねです。
シームレスダウンは、ダウンジャケットの縫い目部分を樹脂で圧着加工して、極力縫い目のない状態を作っています。縫製していない分、風の通る穴がなく、保温性や撥水性などに優れているのがメリットです。
一方、ダウンの中の羽毛や綿の偏りを、縫製ではなくシームレス加工やシームレステープなど使って防止します。シームレス加工やシームレステープは、粘着材によって作られており、粘着材は糸と違って、環境によって剥がれやすいのがデメリットです。

またシームレスダウンの劣化は、着用年数だけが原因ではありません。

・衣類に負担がかかった
・温度や湿気のバランス(環境)など

シームレス加工やシームレステープなどの粘着物は、縫製と違って弱点が多いのがデメリットです。粘着部分の1箇所でも剥がれると、他の部分も圧がかかって剥がれてしまうので、着用前に注意しなくてはいけません。シームレスダウンの劣化は、早ければ製造から3年、遅くても5年経つと剥がれが目立ってきます。

シームレスダウンが劣化!自宅で洗濯できる?

シームレスダウンの劣化を少しでも防ぐため、衣類に付着した汚れは早めに落とすのがポイントです。ダウンジャケットとシームレスダウンはよく似ているため、自宅でも洗濯できるようにみえますが、洗濯表示に「水洗いマーク」があれば洗濯できます。自宅で洗濯するには、それぞれのステップで注意点があるので気をつけましょう。

シームレスダウンの手入れ①:手洗いが基本

シームレスダウンを洗濯する前に、必ず洗濯表示を確認しましょう。製品によっては、次の洗剤や洗濯方法を禁止しています。

・手洗いのみ(洗濯機の使用NG)
・漂白剤NG
・タンブル乾燥NG
・アイロンNG
・ドライクリーニングNG

多くの場合、洗濯機ではなく、手洗いのみOKとしているので、洗濯機で洗うのは避けましょう。水流の弱いドライコースやおしゃれコースなどで洗っても、シームレスダウンの劣化を早める可能性があります。また、手洗いする場合は「押し洗い」がおすすめです。

シームレスダウンの手入れ②:汚れ部分は集中ケア

汚れの目立つ襟元や袖口、ポケットの入り口部分は、おしゃれ着用洗剤とスポンジを使って集中的に洗いましょう。ゴシゴシ力を入れなくても、スポンジと生地の摩擦によって軽い力でも汚れは落ちます。部分的に汚れを落とすことで、黒ずみがキレイになりシームレスダウンが均一にキレイに仕上がりますよ。
すすぐときは、「水が汚れたら変える」を繰り返して、できるだけキレイな水を保つようにしてください。何度か押し洗いしていると、水が汚れなくなってくるので、水の取り替える必要がなくなったら脱水しましょう。

シームレスダウンの手入れ③:脱水は軽い力で!

シームレスダウンの脱水は、次の2つの方法が最適です。

・洗濯機の脱水機(1分回す)
・バスタオルでダウンを挟み水気を取る

脱水機を使った方が、効率よく水気を飛ばせますが、長い時間回すとシームレスダウンに負担がかかり、劣化が早まります。

脱水が終わったシームレスダウンは、ダウン部分が固まっている確率が高いです。ダウンが固まったときは、吊るし干しして、手でほぐし広げてください。乾燥させるときは、日陰で風通りの良い場所を選びましょう。

シームレスダウンはクリーニングに出せる?注意点は?

シームレスダウンは、ダウンジャケットに比べて劣化が早く、取り扱いの難しい衣類です。お手入れ方法を間違えると、ボリュームダウンしたり、ダウンが偏ったりするため、クリーニング店によっては、お断りする可能性が高いです。
また、シームレスダウンは原則「水洗いのみ」なので、ドライクリーニングできません。クリーニング店で受け付ける場合、水洗い、または高度な技術が必要なウェットクリーニングで行います。
シームレスダウンによっては、ドライクリーニングできる衣類もありますが、もしできる場合は「シームレス加工やシームレステープの劣化」について確認しましょう。

まとめ|シームレスダウンの劣化に気をつけよう

シームレスダウンの劣化は、遅かれ早かれ起こる可能性が高いです。ダウンジャケットと違い、圧着や接着剤で加工するため、熱や湿気、衣類に圧をかけたお手入れや保管方法などで劣化します。
シームレスダウンをできるだけ長く愛用したい、シーズンオフ前に汚れを落としたいなどで悩んだときは、高級アイテムのクリーニングが得意なクリーニング店にお任せしましょう。

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