仕事で着るスーツやパーティーなどで着るドレスのクリーニングといえば、ドライクリーニングを思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし、クリーニング店でドライクリーニングではなく、ウエットクリーニングをすすめられることもあります。
今回は、ウエットクリーニングの特徴や利用するメリットなどを詳しく解説します。

ウエットクリーニングとは？

ウエットクリーニングは、ドライクリーニング対応の衣類を水洗いすることをいいます。
「水洗いなら、自宅で洗う洗濯方法と変わらないのでは？」と思いますが、衣類の汚れや洗濯表示マーク、専用洗剤などの知識と経験が必要なので、自宅ではウエットクリーニングはできません。
クリーニング店では、基本的にウエットクリーニングは手洗いです。汚れと衣類の素材などに対して、専用洗剤を作って押し洗いやすすぎをすべて手作業で行うため、手間と時間がかかります。

ウエットクリーニングとドライクリーニングは違う？

ウエットクリーニングとドライクリーニングはまったく違います。表で確認しましょう。

ドライクリーニングが必要な衣類製品は、一般的に水洗いできません。ドライクリーニングでは、水洗いできない衣類を、パークロロエチレンやフッ素系溶剤、石油系溶剤の有機溶剤を使って洗うのです。口紅やケチャップなど、水洗いでは落ちにくい油性汚れを落とすのに最適です。水の代わりに有機溶剤を使って洗うことで、衣類にダメージを与えないようにしています。
一方、ウエットクリーニングは「ドライクリーニングでは落とせない汚れ」をキレイにします。ドライクリーニングと違って水を使うため、水に溶けやすい汚れの洗浄に向いています。
2つの洗い方を見ると、水洗いできるウエットクリーニングの方が簡単に見えますが、水を使った洗い方は衣類の生地を痛めたり色落ちしたりと、さまざまなトラブルが起こりやすいのです。
多くのクリーニング店では、ウエットクリーニングは熟練スタッフが対応しています。

ウエットクリーニングは料金が高い

ウエットクリーニングは知識と技術力を必要とするため、ドライクリーニングに比べて料金は高いです。費用はクリーニング店によって違いますが、「プラス500円～1,000円」が相場です。
また、高度な技術力を必要とするため、クリーニング店によってはウエットクリーニングに対応していないケースもあります。

ウエットクリーニングできる衣類・服とは？

クリーニング店でウエットクリーニングをお願いする時、どんな衣類製品が向いているのでしょうか。利用するには向き不向きがあるので、チェックしておきましょう。

ウエットクリーニングの洗濯表示がある

ウエットクリーニングを利用する時は、必ず洗濯表示を確認しましょう。洗濯表示に「丸の中にW」と描かれているマークが、ウエットクリーニングに対応した衣類です。マークがあったとしても、洗濯表示にバツ印がある場合は利用できないので気をつけてください。
また、水洗い不可の洗濯表示があっても、ウエットクリーニングの洗濯表示があるなら、クリーニング店でお願いできます。

水溶性の汚れを落としたい衣類

ウエットクリーニングは水で落ちやすい汚れ、「水溶性」の汚れを落とすのが得意です。

【水溶性の汚れ例】
・汗
・フルーツの汁
・アルコール
・コーヒーなど

「水で落としやすい汚れなら、通常の洗い方で汚れを落ちるのでは」と思われがちですが、そんなに簡単ではありません。実際にクリーニング店に普通に出してしまうと、水溶性の汚れはシミとして残ったままというケースも珍しくありません。
ウエットクリーニングは「水洗いできない衣類に付着した水溶性の汚れ」に対応しているので、通常の洗い方では対応できない製品におすすめです。

型崩れや色落ちリスクから守りたい衣類

ウエットクリーニングは、水洗いできない衣類だけではなく、「黄ばみ」や「型崩れ」「色落ち」リスクを軽減するメリットもあります。
ドライクリーニングは水溶性の汚れを落とせないため、ワイシャツなどの汗ジミが残ったまま保存しておくと、時間とともに黄ばみが目立ってきます。大切にしているスーツやドレス、セーターなどをウエットクリーニングすることで、長く愛用できますよ。

ドライクリーニングできない衣類

水洗いもドライクリーニングもできない衣類は、ウエットクリーニングがおすすめです。
例えば、合成皮革などに含まれるポリ塩化ビニルの衣類、立体デザインがおしゃれなウレタン樹脂加工したシャツなどです。
ドライクリーニングは有機溶剤を使うことで衣類がダメージを受ける可能性があるのですが、ウエットクリーニングは水を使って洗うためリスクを回避できます。

まとめ｜ウエットクリーニングなら衣類が長持ち！

ウエットクリーニングは、ドライクリーニングでは落とせない水溶性汚れに強みがあります。水洗いできない衣類や、長期保存で黄ばみや型崩れの心配を軽減したい時におすすめです。
仕上がりはクリーニング店の技術力が左右するので、大切な衣類をお願いする時は、確かな技術を持つクリーニング店にお任せください。

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