コラム/豆知識

ラムレザーはお手入れ一つで寿命が変わる!正しい方法とは?

レザージャケットの人気素材といえば「カウレザー(牛革)」と「ラムレザー(羊革)」でしょう。
ラムレザーは、カウレザーに比べて質感が優しく、男女問わずファッションに取り入れやすいことから、年々人気が高まっています。おしゃれアイテムとして購入したものの、お手入れは他のジャケットと同じでいいのか、悩んでいる人も多いでしょう。ラムレザーは、正しい方法でお手入れをしないと、カビや袖口の乾燥など、大きなトラブルに発展することもあります。

そこで今回は、ラムレザーの正しいお手入れ方法について、詳しく解説します。

ラムレザーはお手入れ一つで寿命が変わる!正しい方法とは?

ラムレザーとは?どんな衣類か特徴を知ろう

ラムレザーのお手入れ方法を知る前に、素材の特徴と性質をしっかり覚えておきましょう。

素材に使われるのは、生後1年以内の羊の皮が腐らないように加工した革です。生後半年以下の羊の革は「ベビーラム」、1歳以上の羊の革は「シープスキン」といい、同じ羊革の中でも、ラムレザーは軽くて薄いのが特徴です。
他にも、ラムレザーだからこその特徴があるので、お手入れ前に確認しておきましょう。

素材は牛革より柔らかい

レザージャケット、ライダースジャケットで人気の牛革は、羊革に比べて素材が硬めです。着用するたびに革が柔らかくなり、自分の体型に合わせて形が変わっていき、次第に味わいのある色味になるのが特徴です。

羊革は、牛革と違い、購入時点から柔らかい素材なので、レザージャケットが苦手な人でも着用しやすいでしょう。定期的にお手入れすることで、新品のような状態を保てるのもポイントの一つです。

傷やダメージに弱い

ラムレザーは柔らかいため、傷や熱といったダメージに弱みがあります。
毎日着用していると、どうしても袖口やジップ部分などに傷が付きやすく、使用頻度とお手入れ回数によって、部分的にボロボロになる可能性があります。ダメージを受けたら、すぐお手入れして劣化を防がなくてはいけません。

ラムレザーの寿命は長い

デリケートなラムレザーですが、お手入れをするのとしないのとでは、約10年も寿命の差があります。正しいお手入れ方法を続けると、約10年~15年は愛用できるため、購入時は高価でも着用歴が長いとコスパは十分いいのです。牛革より耐久性は低いものの、購入時点から柔らかさと適度な色味でレザージャケット初心者でもファッションに取り入れやすいでしょう。

ラムレザーのお手入れ方法【購入後すぐ編】

ラムレザーは、水分や湿気に弱い素材なので、レザージャケットを購入したらすぐ防水スプレーでお手入れしましょう。
防水スプレーは、ラムレザーから20~30cm離れた場所から吹きかけるのがポイントです。至近距離でスプレーすると、部分的に薬剤が付着して色ムラができるので気をつけてください。

ラムレザーのお手入れ方法【普段編】

ラムレザーは、普段から定期的なお手入れが必要です。扱い方としては、「女性が行うスキンケア」とイメージすると分かりやすいでしょう。

全体をブラッシングする

ラムレザーのお手入れで外せないのが「ブラッシング」です。素材を傷つけないように、毛質の柔らかい馬毛ブラシやコットン100%の布を使って、全体の汚れを優しい力加減で落としましょう。

専用クリームで保湿ケア

汚れが落ちた後は、紫外線や衝撃などでダメージを受けた素材を専用クリームで「保湿ケア」します。保湿クリームは、レザー専用のものを使い、ベタベタと塗り込むのではなく、素材全体を薄い保湿膜で包むようなイメージでケアしましょう。

しっかり磨き上げる

保湿ケア後、約5分~10分経過したら、きめ細かい柔らかな布でクリームを拭き取ります。クリームを拭き取るのではなく、ラムレザーを優しく磨くようにしてください。力任せに磨いてしまうと、せっかくの保湿ケアもムダな作業となってしまいます。

ラムレザーのお手入れ頻度はどれくらい?

ラムレザーのお手入れ頻度は、「素材のダメージが目立ってきたとき」です。
例えば、次のような状態のときにお手入れが必要でしょう。

・ジャケット表面が乾燥している
・雨に濡れた
・部分的に湿気を感じる
・全体的に色がくすんで見える

購入したときを基準として、全体的に乾燥やシミなどが気になったら、お手入れしてください。また、できれば着用後は毎回ブラッシングをして、ラムレザーに付着したホコリや排気ガスなどの汚れを落としましょう。

ラムレザーをお手入れするときの注意点

ラムレザーをお手入れする際、いくつか注意して欲しいポイントがあります。

雨に濡れたらすぐ拭く

雨に濡れたら、急いで柔らかい布で拭き取りましょう。放置しておくとシミとなり、汚れた部分は落ちにくくなります。また、雨などに濡れたときは、こすり取るのではなく、布で汚れをポンポンと叩くように拭き取るのがポイントです。

高温乾燥はNG

ラムレザーは熱を加えると、革が縮む可能性があるので要注意です。
例えば、濡れた部分をドライヤーで乾かしたり、ハンガーに吊るして直射日光の当たる場所で干したりするのは避けましょう。干すときは、型崩れ防止のためにスーツを吊るす用の厚手ハンガーにかけ、風通しの良い日陰で干してください。

シワができたらお手入れが必要

ラムレザーにできたシワは、勝手に戻らないため、見つけたときはお手入れが必要です。
シワができたときは、乾いた布をラムレザーに乗せて、アイロンを低温にして押し当てます。光熱に弱い素材なので、低温でも絶対に縮まないという保証はありません。シワができて気になるときのお手入れは難しいため、縮みが気になるときはクリーニング店へ依頼した方が安心でしょう。

まとめ|ラムレザージャケットのお手入れは慎重に!

ラムレザージャケットは、正しいお手入れ方法をすることで、10年~15年と長く愛用できます。素材は湿気や日光に弱い性質を持っているので、自宅でお手入れするときは十分な注意が必要です。

ラムレザーの衣類をクリーニングしたいときは、ぜひルタクトにご相談ください。

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